
更新日:2025-03-14
「低周波治療器」と「EMS」は、どちらも電気刺激を利用して筋肉を動かす機器ですが、それぞれの違いについて疑問を持つ方も多いでしょう。
まず理解しておきたいのは、これらの機器では基本的な原理は同じであるものの、「医療機器として認証を取得しているかどうか」によって名称や用途が異なる点です。
また、低周波治療器とEMSでは、保険請求の可否や使用目的に制限があるかどうかにも違いがあります。
今回は、低周波治療器とEMSの特徴や違いについて詳しくご紹介します。
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1.低周波治療器とEMSの違い
低周波治療器とEMSの最大の違い:医療認可の有無
EMSの中で医療認可を取得し、正式に医療機器として認められた製品は「低周波治療器」として分類されます。
そのため、名称が異なるだけでなく、使用目的や適用範囲にも違いが生じます。
「低周波治療器」という名称から「低周波のみを利用する機器」と誤解されがちですが、実際には中周波や高周波を使用する製品も含まれます。
つまり、低周波だけでなく幅広い周波数帯を活用した機器でも、医療認可を取得すると「低周波治療器」として扱われるのです。
低周波治療器 | EMS | |
医療認可 | 取得済み | 未取得 |
診療方法 | 保険診療 | 自費診療 |
使用施設 | 保険診療を行っている施設 | 整体やジム、エステなど |
使用目的 | 治療目的 | 筋力強化、ボディメイク、美容、トレーニングなど |
低周波治療器とEMSの具体的な違い
① 保険診療と自費診療の違い
低周波治療器は医療機器として認可されているため、病院や整骨院などの医療機関で保険診療として使用できます。
そのため、電気療法(電療)としての保険請求が可能です。
一方で、EMSは医療機器ではなく、保険診療での使用は認められていません。EMSは自費診療のみでの利用となるため、整体院、エステサロン、フィットネスクラブなど、医療機関以外の幅広い施設で導入されています。
② 使用目的の違い
低周波治療器は、医療機器としての厳格な規制を受けているため、主に疼痛緩和などの治療目的に限定されます。
一方、EMSは医療認可を受けていないため、低周波治療器のような規制がかかりません。
治療以外のさまざまな目的で使用でき、例えば、筋肉の引き締め、トレーニング、ボディメイク、コンディショニングといった幅広い用途に活用されています。
2.低周波治療器とは
低周波治療器は、患部の表面から通電を行い、筋肉や神経の痛みを和らげるために使われる医療機器です。
名前の通り「低周波」と呼ばれる低い周波数のパルス電流に、神経や筋肉が反応する人間の性質を利用した医療機器で、体の表面につけた電極を通じて、皮膚の表面から通電します。
電気刺激を用いて、筋肉を収縮・弛緩させることで血行を促進し、痛みの軽減やコリの解消を図ります。
低周波治療器の仕組み
低周波治療器は、専用の電極パッドを体の痛い部分や凝り固まった筋肉に貼り付け、そこに電気刺激を送ります。
電気が流れると筋肉が「ピクッ」と動きますが、これは意図的に筋肉を運動させている状態です。筋肉が動くことで血液の流れが改善され、老廃物が排出されやすくなります。
例えば、水道のホースにたまった水を手で押し出すように、筋肉も電気刺激によって動かすことで、血液やリンパの流れがスムーズになります。
低周波とは?
「低周波」とは、周波数が0.1~1000Hz(ヘルツ)程度のゆっくりとした電気の波のことを指します。
イメージとしては、川に浮かぶボートがゆっくりと波に揺られるような感覚です。このゆっくりとした電気刺激が体に伝わることで、筋肉が適度に動かされ、血流や代謝が活発になります。
低周波治療器の効果
低周波治療器は、筋肉のコンディショニングや痛みのケアに有効な医療機器です。
低周波治療器には、以下のような効果が期待できます。
1. 筋肉のコリや痛みの軽減
長時間のデスクワークや同じ姿勢を続けた際に生じる肩こり・腰痛に対して、低周波治療器を使用すると電気刺激によって筋肉がほぐれ、緊張が緩和されます。
2. 血行促進
運動不足や冷えによる血流の滞りにも効果的です。筋肉を刺激することで血流が改善され、老廃物の排出が促進されます。
3. 神経痛の緩和
神経が圧迫されて痛みが生じている場合、低周波治療器の電気刺激が神経の興奮を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
3.EMSとは
EMS(Electrical Muscle Stimulation)は、電気の力を利用して筋肉を動かすトレーニング機器です。
筋力強化やリハビリ、ボディケアの目的で広く活用されています。
例えるなら「自動トレーニング装置」です。通常の筋トレでは自分で体を動かして筋肉を鍛えますが、EMSは電気刺激によって筋肉を自動的に動かします
これは、手動で車を押すのではなく、エンジンの力でスムーズに動かすようなイメージに近いです。
EMSにはさまざまな種類がありますが、大きく「低周波」「中周波(干渉波)」「高周波」の3つに分類され、それぞれ異なる特徴や効果を持っています。
EMSの仕組み
私たちの筋肉は、脳からの電気信号が神経を通じて伝わることで動きます。
EMSは、この指令の代わりに電気刺激を直接筋肉に送ることで、筋肉を動かし、意識しなくても筋肉が収縮と弛緩を繰り返す仕組みです。
簡単に言うと、EMSの電気信号が「動け!」という命令書のような役割を果たし、その指令を受け取った筋肉が自動的に動くのです。
EMSの効果
EMSには、以下のような効果が期待できます。
1. 筋力トレーニング
運動が苦手な人でも、EMSを使えば自動的に筋肉が鍛えられます。寝たままでも筋肉に刺激を与えられるため、忙しい人にもおすすめです。
2. リハビリ
ケガや病気で自力で動かしにくい筋肉をEMSで刺激することで、筋力低下を防ぎ、回復をサポートします。
3. ボディメイク・引き締め
EMSで筋肉を動かすことでエネルギーが消費され、脂肪燃焼のサポートや部分的な引き締めが期待できます。
4. 血行促進
電気刺激によって筋肉が収縮・弛緩を繰り返すことで、血液循環が改善され、肩こりやむくみの解消が期待できます。
市販のEMSの多くは低周波
一般的に、テレビ通販や家電量販店、ECサイトで販売されているEMSの多くは「低周波EMS」です。
その理由は、大量生産しやすく、コストを抑えて手頃な価格で提供できるためです。
ただし、低周波EMSは主に表層の筋肉に働きかけるため、より深い筋肉(インナーマッスル)への刺激を求める場合は、中周波や高周波のEMSを選ぶとよいでしょう。
EMSは用途に応じた選び方が重要であり、目的に合った周波数帯を選ぶことで、より効果的に活用できます。
4.治療院におけるEMS導入のメリット
EMS導入のメリット
EMSを導入する最大のメリットは、施術者の負担を軽減しながら自費売上を確保できる点です。
例えば、手技のみで自費診療を行っている場合、予約枠が埋まってしまうと新規予約を受け付けることが難しくなります。
しかし、EMSを活用すれば、患者様がEMS施術を受けている間に、別の患者様へ手技施術を行うことが可能になります。
また、「手技+EMS」を組み合わせたメニューを提供することで、施術単価の向上やベッド稼働率の最適化につながります。
さらに、痛みの治療で通院されている患者様に対しては、治療終了後の再発予防としてEMSを活用した筋力強化を提案するのも効果的です。
EMSの導入により、患者様の満足度向上とLTV(顧客生涯価値)の増加を目指してみてはいかがでしょうか。
LTVとは?
Life Time Valueの略で、顧客生涯価値を意味します。
LTVは顧客がサービスを使ううえで、生涯合計でどのくらいの額を使うかの指標です。長期間継続して購入(利用)する顧客ほど、LTVが高いといえます。
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→整骨院・整体院でEMSを導入するメリット【特長や効果は?】5.まとめ
低周波治療器とEMSの違いについてご紹介しました。
機器導入をする際には、どのような目的で導入するのかをしっかり決めておくことで必要な機器を選ぶことができます。
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監修:コアラボ編集部
この記事は、整骨院・サロン向けのトレーニング機器を販売する株式会社モン・スターズのコアラボ編集部が監修しており、わかりやすく役に立つ記事を目指しています。