
更新日:2025-03-12
EMSは「インナーマッスルを鍛える機械」として認知されていますが、EMSの周波数帯は、低周波、中周波、高周波の3つに分類されていることをご存知でしょうか?
そして、それぞれの周波数帯で特徴やトレーニング効果が異なってくるのです。
今回は、低周波、中周波、高周波、それぞれの違いについてご紹介します。
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1.EMSとは
EMSとはElectrical(電気的) Muscle(筋肉) Stimulation(刺激)の頭文字をとった言葉
筋肉は電流が流れると収縮し、電流が止まると弛緩する性質を持っています。
EMSは、この性質を利用し、電気信号を送ることで筋肉を刺激・収縮させる機器の総称のことです。
EMSの電気刺激は、出力や周波数などの設定を調整できるため、使用者に適した条件で利用でき、効果的なトレーニングやケアが可能です。
一般的には、シートやパッド状の電極を肌に密着させ、電流を流す方法が採用されています。
また、EMSは副作用がほとんどなく、安全に使用できるため、幅広い方に適した機器です。
EMSの周波数帯は大きく3種類に分類され、それぞれの周波数によってトレーニング効果や特徴、機器の価格が異なります。
高い効果を得るためには、目的に応じたEMS機器の選択が重要です。
EMSは周波数帯によって3つに分類される
- 低周波
- 中周波
- 高周波
欧米と日本ではEMSの意味が少し違う
欧米では、EMSは医療機器を含む総称として使われています。
一方、日本では医療機器は「低周波治療器」と分類され、美容や健康目的の機器のみがEMSと呼ばれます。
つまり、日本におけるEMSは医療機器ではないため、特別な資格がなくてもエステサロン、スポーツジム、治療院の自費診療などで自由に使用できます。
2.低周波とは
低周波の定義は0,1Hz~1,000Hz
低周波の定義は、0.1Hz~1,000Hzの周波数帯を指します。
一般的に、インターネットや家電量販店で市販されているEMS機器の多くは20Hz~100Hzの低周波に分類されます。
電気は波として表され、Hz(ヘルツ)とは「1秒間に何回波が発生するか」を示す単位です。
例えば、50Hzの場合、1秒間に50回の波が発生します。
低周波の特徴
- 波の振幅が大きく、太い波形を持つため、皮膚抵抗を受けやすい
- ピリピリとした刺激(痛み)を感じやすい
- 皮膚抵抗が強く、電流の浸透は皮下数mm程度と浅い
- 浅層の筋肉のみを刺激する
イメージとしては、太い注射針を刺すような感覚に近いと言えます。
低周波の効果
- 鎮痛作用
- 消炎作用
- 代謝機能の促進
- しびれや麻痺の緩和
低周波EMSのメリット
- 20Hz~100Hzの範囲は筋肉収縮を起こしやすい
- 皮膚抵抗は高いが、その分強い筋収縮を促せる
- 一本の電流でも筋肉を動かせるため、効率的
低周波EMSは構造が比較的シンプルで大量生産が可能なため、価格が手頃で種類も豊富なのが特徴です。
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→低周波治療器とEMSの違い3.中周波とは
中周波の定義は1,000Hz~10,000Hz
中周波の定義は、1,000Hz~10,000Hzの周波数帯を指します。
中周波の特徴
- 低周波よりも波が細かく、皮膚抵抗が軽減される
- 通電範囲は皮下2~3cmと、低周波よりも深部へ到達
- 刺激感が少なく、比較的快適な使用感
ただし、波が細かくなることで筋肉運動を起こしにくくなるという特性があります。
また、出力を強くすると皮膚抵抗を感じやすくなるため、適切な調整が重要です。
中周波の効果
- 鎮痛作用
- 鎮静作用
- 血行促進
- 筋緊張の緩和
- 関節可動制限の緩和
中周波と干渉波の違いとは?
「低周波とは」でもお伝えした通り、筋肉運動を引き起こしやすいのは低周波の周波数帯です。
一方、中周波ではそのままでは筋肉運動を起こしにくいため、2本の異なる中周波を体内で干渉させ、低周波を発生させる方法が用いられます。これを「干渉波」と呼びます。
例えば、5,000Hzと5,050Hzの2つの中周波を同時に体内へ流すと、周波数の差である50Hzの低周波が発生し、その部分で筋肉運動が起こります。
ただし、干渉が起きてる部分のみで筋肉運動が起きるため、特定の部位に対してピンポイントな刺激となるのが特徴です。
4.高周波とは
高周波の定義は10,000Hz以上
高周波の定義は10,000Hz以上の周波数帯を指します。
高周波の特徴
- 電気の波が非常に細かく、皮膚抵抗がほとんどない
- ピリピリとした刺激や痛みを感じにくい
- 低周波・中周波と比べて、より深部まで電流が到達する
特に、100,000Hzを超えると、通電の深さは皮下約15cmに達し、それ以上は変化しないことが分かっています。
そのため、100,000Hz以上の高周波EMSは、体の奥深くにあるインナーマッスルまで刺激できるのが特長です。
また、お腹周りなど脂肪が厚い部位の深部筋に電気信号を届けるには、高周波が最適とされています。
高周波の効果
- 鎮痛作用
- 消炎作用
- 代謝機能の促進
- 慢性痛の緩和
- 筋緊張の緩和
高周波×低周波で深部のインナーマッスルが動く
10,000Hz以上の高周波を単独で流しても、筋肉運動は起こりません。
しかし、筋肉を動かす力の強い低周波と、皮膚抵抗が少なく深部まで届く高周波を同時に流すことで、体の奥にあるインナーマッスルまで効果的にアプローチできます。
このメカニズムを採用しているEMSが、株式会社モン・スターズが販売する業務用EMS「コアレライボ」や家庭用EMS「コアレミニ」です。
皮膚に優しく、体が受け入れやすい高周波の電流を変化させながら身体の深部へ送り込み、体内で多種多様な低周波を作り出します。ランダムな筋肉運動を起こすので、柔軟性のある筋肉作りを行いつつ、アウターマッスルとインナーマッスルを同時に鍛えることができます。
5.まとめ
低周波は表層の筋肉や神経を刺激しやすく、主に鎮痛や筋収縮の目的で使われます。
中周波は皮膚抵抗を抑えて深部の筋肉へ作用しやすく、血行促進、筋緊張の緩和に有効です。
高周波はさらに深部へアプローチでき、消炎作用、代謝機能の促進などに適しています。
整骨院や整体院での施術、EMS機器の導入を検討する際には、目的に応じた周波数帯を理解し、適切に活用することが重要です。
低周波と高周波を掛け合わせた広域変調波EMS「コアレ ライボ」
EMS波形にハイボルテージを加えたことで「皮膚刺激の軽減」「筋収縮力の強化」「収縮範囲の拡大」がより強化された業務用EMSマシン。業務用EMS最多クラスのパッド数で2人同時稼働ができ、店舗売上に貢献します。

監修:コアラボ編集部
この記事は、整骨院・サロン向けのトレーニング機器を販売する株式会社モン・スターズのコアラボ編集部が監修しており、わかりやすく役に立つ記事を目指しています。