
更新日:2025-03-13
骨盤底筋は膀胱や子宮などの臓器を支える重要な筋肉で、加齢や出産、運動不足によって衰えると、尿漏れや姿勢の崩れ、腰痛などの原因になります。
骨盤底筋の衰えを予防するためには、骨盤底筋トレーニングが推奨されていますが、「結果が出るまで継続するのが大変」といった声が上がっています。
EMSは電気刺激で筋肉を収縮させるトレーニング方法で、運動が苦手な方や忙しい方でも手軽に骨盤底筋を鍛えられますので、特に産後の女性や尿漏れに悩む方におすすめです。
本記事では、骨盤底筋の役割や衰える原因、EMSを活用した効果的なトレーニング方法について解説しています。
さらに後半では、EMSのメリット・デメリット、効果的なトレーニングのコツも紹介。
EMSを活用し、無理なく骨盤底筋を鍛えて健康的な生活を目指しませんか?
1.骨盤底筋の役割とは?
骨盤底筋は、骨盤の底部に位置し、膀胱や子宮、直腸などの臓器を支える重要な筋肉群です。
この筋肉がしっかりと機能することで、尿漏れの防止や姿勢の安定、内臓の正しい位置の維持など、多くの健康維持に役立ちます。
しかし、骨盤底筋が衰えると、さまざまな不調が現れるため、適切なケアが必要です。
骨盤底筋がどこにあるか分からない時は、おしっこをする時に途中で尿を止めてみてください。
そのときに力が入るところが骨盤底筋です。
骨盤底筋の役割
- 臓器を支える: 膀胱、子宮、直腸などの臓器を正しい位置に保ち、下垂を防ぎます。
- 排泄のコントロール: 尿道や肛門を締めたり緩めたりすることで、尿や便の排出をコントロールします。
- 姿勢の維持: 腹筋や背筋などと連携して、体の安定性を保ち、姿勢を維持します。
- 腹圧の調整: 腹腔内の圧力を調整する役割があります。
骨盤底筋は、意識的に収縮させることも、無意識に働くこともあります。
例えば、咳やくしゃみをするとき、重いものを持ち上げるときなど、腹圧が上昇すると、骨盤底筋が自動的に収縮して内臓を支えます。
骨盤底筋が衰えるとどうなる?
骨盤底筋が衰えると、尿漏れや頻尿、骨盤の歪みによる腰痛、姿勢の崩れなど、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
特に女性は妊娠・出産の影響を受けやすいため、意識的にトレーニングを行うことが大切です。
- 姿勢が悪くなる
- 尿漏れや頻尿が起こりやすくなる
- 内臓が下垂してしまい、ぽっこりお腹になる
- 便秘、生理不順や生理痛を引き起こす
2.骨盤底筋が衰える主な原因
現代社会の日常生活(長時間のデスクワークや運動不足など)には、骨盤底筋を弱らせる要因が多く潜んでいます。
- 妊娠や出産
- 閉経や加齢
- 肥満
- 遺伝
- 喫煙
- 不適切な姿勢
妊娠や出産
重くなった子宮を支えたり、赤ちゃんが膣を通るため、骨盤底筋には多くの負担がかかります。
その結果、骨盤底筋がたるんでしまい、出産後に尿漏れが起こるのです。
また、妊娠や出産による骨盤底筋のダメージは、将来尿漏れを起こす原因にもなります。
特に2回以上経験がある女性は、尿漏れの発症率が高いと言われています。
閉経や加齢
骨盤底筋群も、腕や脚など他の筋肉と同様に、筋肉自体が年齢を重ねることで衰え、支える力が弱くなっていきます。
また、閉経以降はエストロゲンの分泌が減少することで骨盤底が弱まり、尿漏れや尿失禁、骨盤臓器脱などの症状が起こります。
肥満
体重が増えると、骨盤内に荷重がかかり、骨盤底筋にも負担がかかります。
その結果、骨盤底筋はダメージを受け、尿漏れが起こってしまいます。
減量することで尿漏れが改善すると報告されている肥満と腹圧性尿失禁の関係についての研究データもあります。
遺伝
遺伝的な傾向は個人差がありますが、骨盤底筋の弱化に影響を受けている可能性があります。
喫煙
喫煙は循環系統への悪影響を与え、組織の酸素供給を減少させることがあります。
これが筋肉の健康に悪影響を与え、骨盤底筋を弱める可能性があるとされています。
不適切な姿勢
座りっぱなしの生活や運動不足が続くと、骨盤底筋が使われる機会が減り、筋力が低下します。
3.骨盤底筋を鍛えるメリット
骨盤底筋を強化することで、女性特有の不調改善や、加齢による筋力低下の予防、運動能力の向上など、さまざまな健康メリットが得られます。
尿もれ予防・改善
咳やくしゃみ、運動時などに尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」は、骨盤底筋の衰えが原因の一つです。
骨盤底筋を鍛えることで、尿道をしっかり締め、尿もれを防ぐことが期待できます。
「運動会で子供と全力で走りたいけど、尿もれが心配…」という方も、骨盤底筋を鍛えれば、安心して運動を楽しめます。
便失禁予防・改善
便を我慢できなくなる「便失禁」も、骨盤底筋の衰えが原因の一つです。
骨盤底筋を鍛えることで、肛門をしっかり締め、便失禁を防ぐことが期待できます。
臓器脱予防
子宮や膀胱、直腸などの臓器が膣から下がってくる「骨盤臓器脱」は、骨盤底筋が弱まることで起こりやすくなります。
骨盤底筋を鍛えることで、これらの臓器を正しい位置に保ち、臓器脱を予防できます。
姿勢改善
骨盤底筋は、体の中心にある筋肉と連携して、姿勢を維持する役割も担っています。
骨盤底筋を鍛えることで、骨盤が安定し、美しい姿勢を保つことができます。
性機能向上
骨盤底筋を鍛えることで、膣の締まりが良くなり、性感を高める効果が期待できます。
産後の回復促進
出産によって骨盤底筋は大きくダメージを受けます。
産後に骨盤底筋を鍛えることで、これらのダメージからの回復を促し、尿もれなどのトラブルを防ぐことができます。
産後に始まる尿漏れは産後1~2か月で回復
とくに女性は、妊娠や出産により尿漏れが始まることが多く、30代以上の女性の3人に1人が尿漏れの経験があるというデータ(※ユニ・チャーム調べ)もあり、悩んでいる方は意外にも多くいます。
しかし、出産でダメージを受けた骨盤底筋は、順調にいけば産後1~2ヶ月で回復していきます。
産後の尿漏れは、およそ1年後には9割の人が改善するといわれています。
会陰の痛みが治まる時期(産後1か月くらい)を目安に、骨盤底筋トレーニングを始めてみましょう。
産後の尿漏れを防ぐためには、骨盤底筋にできるだけ負担をかけないことが大切です。
分娩時間が短いほうが骨盤底筋への負担は少ないので、妊娠中の太りすぎや妊娠高血圧症などには気を付ける必要があります。
難産だった人は50歳を過ぎてから、尿漏れを再び経験する場合があるようです。
骨盤底筋トレーニングを習慣として続ければ、中高年期の尿漏れを防ぐことが期待できます。
4.骨盤底筋への負担度チェック
- 電車で座っているときに膝が開く
- 仕事はデスクワーク中心
- 1日のうち座っている時間が長い
- 椅子に座ると背もたれに寄りかかることが多い
- 体を動かすのが嫌い・運動不足を感じている
- 思いものを持ち上げることが多い
- 体を締め付ける洋服(スキニージーンズやガードルなど)をよく着る
- 便秘がちでよくいきむ
- アレルギーで咳やくしゃみが多い
- 電車で座っているときに膝が開く
- 妊娠中や産後に尿漏れが頻繁にある
- 分娩の途中、子宮口が開いてから子どもが産まれるまで5時間以上かかった
- 3500g以上の大きな赤ちゃんを産んだ
- 産後1週間経っても、子宮が下がっている
- 35歳以上になって初めて出産した(帝王切開は除く)
- 3人以上の経産婦の人
チェックが多かった方は骨盤底筋への負担が大きく、ダメージが蓄積されている可能性があります。
日常生活での何気ない習慣でも骨盤底筋へ負担をかけることがあるので、これを機会に骨盤底筋ケアを考えてみてはいかがでしょうか?
5.EMSを活用した骨盤底筋トレーニングとは?
EMSとは?仕組みと特徴
「骨盤底筋トレーニングをしてもなかなか効果がでない」
「毎日継続するのが大変!」
「果たしてトレーニングは合っているの?」
そんな声も多く挙がるのが、骨盤底筋トレーニングの課題でもあります。
そんなお悩みには、EMSを使った骨盤底筋トレーニングがとても効率的かつ効果的でおすすめです。
EMSは、直接筋肉に電気刺激を送ることで筋肉の収縮を促し、トレーニング効果を得ることができるマシンです。
EMSでの骨盤底筋トレーニングは、筋肉そのものを電気刺激で動かすので骨盤底筋全体に効果が期待できます。
自身での骨盤底筋体操で思うように効果が感じられなかった方は、是非EMSでの骨盤底筋トレーニングを試してみてはいかがでしょうか。
EMSで骨盤底筋を鍛える仕組み
EMSは、電気刺激を利用して筋肉を収縮させるトレーニング方法です。
基本的には、電極(パッド)を体に装着し、微弱な電流を流すことで筋肉を刺激し、自動的に収縮・弛緩を繰り返します。
これにより、通常の運動では鍛えにくい筋肉にも効果的にアプローチできるのが特徴です。
EMSを利用することで、骨盤底筋を効果的に刺激し、通常のトレーニングでは鍛えにくい深層部の筋肉にアプローチします。
どんな人にEMSトレーニングが向いている?
産後の女性や運動習慣がない方、尿漏れや頻尿が気になる方など、骨盤底筋の衰えを感じている人に特におすすめです。
尿トラブルに効果的なEMSパッドの貼り方
6.EMSで骨盤底筋を鍛えるメリット・デメリット
EMSのメリット
EMSは電気刺激によって直接筋肉を収縮させるため、自分の意志で筋肉を動かすのが難しい場合や、従来のトレーニングで効果を感じにくい場合でも、効率的に骨盤底筋を鍛えることができます。
「運動が苦手で、なかなか続けることができない…」という方でも、EMSならテレビを見ながら・家事を行っている間などに、手軽にトレーニングを行うことができます。
特別な運動をしなくても、しっかりと骨盤底筋を鍛えられるため、運動が苦手な人にも最適です。
EMSのデメリット
EMSは電気刺激を使用するため、人によってはピリピリとした不快感を感じることがあります。
EMS機器のパッドを長時間同じ場所に貼り続けると、皮膚がかぶれるなどのトラブルが起こる可能性があります。
皮膚が弱い方は、敏感肌でも対応しているパッドなのか確認する必要があります。
また、骨盤底筋を効果的に鍛えるためには、適切な周波数や機器を選ばないと、期待する効果を得られない場合があります。
しっかりとインナーマッスルまで届く周波数のEMSを選ぶことが重要です。
7.骨盤底筋トレーニングにおすすめのEMS
家庭用EMS「コアレミニ」
骨盤底筋をトレーニングするための専用モードを搭載。
低周波から高周波までの幅広い周波数を組み合わせた「広域変調波」を採用することで、電気特有の皮膚のピリピリ感を抑え、骨盤底筋(インナーマッスル)まで深く刺激が届きます。
皮膚のピリピリした感覚が苦手な方でも安心して使えます。
家庭用なので好きな時に使えるのも魅力です。
業務用EMS「コアレライボ」
家庭用EMSコアレミニの業務用機器。
コアレミニ同様、骨盤底筋をトレーニングするための専用モードを搭載。
業務用EMSコアレは、全国の治療院を中心に導入されているので、お近くの治療院で体験してみてはいかがでしょうか。
広域変調波EMS「コアレ ライボ」

コアレライボは、低周波から高周波までの幅広い周波数を組み合わせたEMS波形に、ハイボルテージを加えた業務用EMSです。
EMSトレーニングとしての活用はもちろん、治療補助やリラクゼーションにもお使いいただけます。
95%の方が骨盤底筋トレーニングの効果を実感!
30代~80代の女性21名を対象に週2回、業務用EMSコアレの骨盤底筋モードにて施術を実施いたしました。
(ご協力:アストラル八幡クリニック様)
Q1. 毎日の生活は、尿漏れや頻尿のために損なわれると感じますか?
尿トラブルによって生活が損なわれていると「感じている」人は71%、「感じていない」人は24%でした。(無回答は5%)
Q2. コアレの施術を受ける前と比べて現在の状況は改善した実感がありますか?
実際にコアレを受けられて、症状が改善したという実感が「ある」と回答した人は33%、「大いにある」と回答した人が62%、「ない」と回答した方は1%でした。
尿漏れの症状以外にも、「身体が軽く感じられるようになった」「腰のだるい痛みにも非常に効果があった」「股関節の痛みも取れてきたのがうれしい」「股関節の可動域が広がってきたように感じる」等のお声をいただきました。
8.骨盤底筋トレーニングにEMSを取り入れる際のポイント
骨盤底筋トレーニングとEMSを組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
例えば、ケーゲル体操とEMSを併用すると、骨盤底筋をより効果的に鍛えることが可能です。
骨盤底筋トレーニングの効果を実感するためには、継続的に習慣化することが重要です。
9.まとめ
骨盤底筋の衰えは、加齢や生活習慣、出産などによって引き起こされることが分かりました。
EMSを活用することで、手軽に骨盤底筋を鍛えることができ、尿漏れの予防や姿勢改善に効果的です。
適切な使い方を理解し、無理なく続けることで、健康的な生活を手に入れましょう。
業務用EMSコアレは、治療院をはじめ、レディースクリニックでも尿トラブル対策として導入されています。
業務用EMS機器導入に関して気になる方は、下のリンクより製品情報がチェックできます。
治療院・サロン向け業務用EMS「コアレライボ」のご紹介はこちら↓

監修:コアラボ編集部
この記事は、整骨院・サロン向けのトレーニング機器を販売する株式会社モン・スターズのコアラボ編集部が監修しており、わかりやすく役に立つ記事を目指しています。