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【整骨院向け】フレイル・サルコペニア・ロコモで差別化!高齢者の健康を支える予防メニューとは?

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【整骨院向け】フレイル・サルコペニア・ロコモで差別化!高齢者の健康を支える予防メニューとは?

高齢者人口の増加に伴い、整骨院には単なる「痛みの対処」だけでなく、フレイルやサルコペニア、ロコモの予防を目的としたサービス提供が求められています。
地域包括ケアの流れの中で、整骨院が健康寿命の延伸に貢献する場として注目されており、経営面でも保険依存からの脱却、自費施術の導入などが重要なテーマになっています。

本記事では、フレイル・サルコペニア・ロコモの基礎知識、それぞれの違いと関連性について解説していきます。
記事の後半では、予防や改善方法についても触れ、整骨院での予防の取り組み方法などを紹介します。


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1.フレイル・サルコペニア・ロコモとは?それぞれの違いと関連性について

高齢者の身体的機能低下を表す「フレイル」「サルコペニア」は「ロコモ」、それぞれ異なる概念ですが密接に関連しています。

整骨院においてこれらを正しく理解することは、予防的なサービス提供や患者様教育において大きな強みとなります。
ここでは、それぞれの定義と特徴、進行の流れを整理し、整骨院がどう関われるかの視点を明確にしていきます。

フレイル・サルコペニア・ロコモ

フレイルとは

フレイルとは、加齢により心身の機能が低下し、健康と要介護の中間に位置する状態です。
フレイルには、「身体的側面」「精神的側面」「社会的側面」の要素が複合的に関与し、気づかないうちに衰えが進行します。

早めに気づき適切に対応することで、健康な状態に改善できる可能性がある一方、放置すればロコモやサルコペニアが悪化し、介護状態へとつながりかねません。

整骨院では身体機能の改善だけでなく、通院による社会参加の支援としてもフレイル対策に寄与できます。

フレイルの3つの側面とは

フレイルは単なる体の衰えではなく、身体的・精神的・社会的な3つの側面が相互に影響し合うのが特徴です。

身体面では筋力や嚥下機能が低下し、転倒や誤嚥のリスクが高まります。
精神面では意欲や判断力が落ち、軽度認知症につながることも。
さらに社会的側面では、交流の減少による孤独や孤食が進行要因になります。

フレイルの診断基準

フレイルかどうかは、5つの評価項目に基づいて判断されます。

①年間4.5kgまたは5%以上の意図しない体重減少
②週に3〜4日以上の強い疲労感
③歩行速度の低下
④握力の低下
⑤身体活動量の低下

これらのうち1~2項目に該当すると「プレフレイル」、3つ以上で「フレイル」とされます。

整骨院で日常的に確認できる要素も多く、特に筋力や歩行機能の評価は施術中でも自然に行えます。この基準を理解しておくことで、早期介入や他職種連携にもつながります。

サルコペニアとは

サルコペニアは加齢に伴う筋肉量および筋力の減少を意味し、主に下肢筋力の低下から転倒や歩行障害を引き起こします。「加齢性筋肉減弱現象」とも呼ばれます。

主な原因は加齢ですが、活動不足、栄養不良、疾患なども危険因子となります。生活習慣の影響も大きく、見た目では判断しづらいのが特徴です。
65歳以上の15%がサルコペニアに該当すると考えられており、サルコペニアに該当する割合は加齢に伴って上昇し、女性より男性の割合が高くなっています。

整骨院ではEMSや自重トレーニングなどの軽度な筋力トレーニングを組み合わせることで、サルコペニア予防に貢献できます。

サルコペニアを発症しやすい人の特徴

サルコペニアは、加齢だけでなく生活習慣によっても進行する筋肉量の減少状態です。特に以下のような特徴を持つ方は、発症リスクが高いとされています。

①高齢かつやせ型の方
食事量が少なく、特にたんぱく質不足に陥りやすいため、筋肉が作られにくくなります。

②運動習慣がない方
日常的に体を動かす習慣がないと、筋肉量が徐々に低下し、身体機能の衰えにつながります。

③食事制限のみのダイエットをしている方
若年者であっても、運動を伴わない極端な食事制限は筋肉量の減少を招くことがあります。
体重は減っても、その内訳が脂肪だけでなく筋肉も含まれている場合、将来的なサルコペニアのリスクを高める可能性があります。


これらの特徴に該当する方には、適切な栄養摂取と運動を組み合わせたサポートが重要です。
整骨院でも、リスクのある方に向けた予防アプローチが差別化の鍵となります。

サルコペニアの症状

具体的な症状としては、以下のようなものがあります。

  • 歩行速度の低下: 横断歩道を青信号で渡りきれないなど
  • 筋力の低下: ペットボトルの蓋が開けにくい、重いものが持てない、立ち上がるのが困難など
  • 身体機能の低下: 転倒しやすくなる、頻繁につまずく、手すりにつかまらないと階段を上がれないなど
  • ふくらはぎの痩せ: 筋肉量の減少が分かりやすく現れる部分の一つ
  • 疲れやすさ: 日常生活に必要な筋力が低下するため、疲れやすくなる
  • 体重減少: 筋肉量が減ることで体重が減少することがありますが、体脂肪が増えて体重が増加することもある

サルコペニアの診断基準

①握力:男性28㎏未満、女性18㎏未満
②歩行速度:1.0m/秒
③筋肉量:男性7.0㎏/㎡、女性5.8㎏/㎡未満 ※生体電気インピーダンス法(BIA法)

自宅で簡単にできるセルフチェックとしては、指輪っかテスト(ふくらはぎの太さを指で囲めるか)、握力テスト、歩行速度テスト、椅子立ち上がりテストなどがあります。

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは

ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)は、骨、関節、筋肉、神経など、体を動かすために必要な「運動器」の障害によって、立つ、歩くといった移動機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。

加齢による筋力・骨密度の低下、関節や脊柱の変性、バランス能力の衰えが主な要因です。
筋肉や骨の衰えが加速する40代から特に注意が必要で、予備軍を含めると4700万人が該当すると言われています。

整骨院では関節可動域の維持や姿勢改善を目的としたアプローチが有効で、ロコモ対策としての施術や運動指導の提供が可能です。

ロコモの症状

具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

移動能力の低下

  • 片足立ちで靴下が履けない
  • 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  • 階段を上るのに手すりが必要
  • 15分程度続けて歩くことができない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

筋力・バランス能力の低下

  • 重いものが持ち運びづらくなる(例:2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難)
  • 椅子から立ち上がるのがつらい
  • 体のバランスが取りにくい

痛み・しびれ

  • 腰や膝、肩などに慢性的な痛みやしびれがある

日常生活の困難

  • 掃除機をかけるのがつらい 布団の上げ下ろしが困難

三者の関連性と進行の流れ

サルコペニア・ロコモ・フレイルの関係
画像引用:フレイルって何? 症状と原因を知って、心身を整えよう│PREZO


「フレイル」「サルコペニア」は「ロコモ」は、独立しているわけではなく、密接に影響し合いながら進行していく「負の連鎖」として捉えることができます。

スタートは「サルコペニア」から

加齢、活動不足、栄養不足などにより、まず筋肉の量や質が低下(サルコペニア)し始めます。これは、他の変化の引き金となる最も基礎的な現象です。

サルコペニアから「ロコモ」へ

筋肉が衰えると、立つ、歩くといった基本的な移動能力が低下します。さらに、筋力低下が関節に負担をかけたり、バランス能力が落ちたりすることで、運動器全体の問題(ロコモ)へと発展します。転倒や骨折のリスクも高まります。

ロコモやサルコペニアが「フレイル」を引き起こす

ロコモによって移動が困難になると、外出が億劫になったり、活動量が減少したりします。これにより、身体機能のさらなる低下(身体的フレイル)を招きます。また、外出の減少は社会との交流を減らし(社会的フレイル)、気分の落ち込みや認知機能の低下(精神・心理的フレイル)にもつながることがあります。サルコペニア自体も、疲れやすさや活動量の低下を通じてフレイルの身体的側面を悪化させます。


つまり、この3つの概念は、以下のような悪循環を生み出す可能性があります。

【筋肉量の減少(サルコペニア)】
  ↓
【移動機能の低下(ロコモ)】
  ↓
【心身全体の虚弱(フレイル)】
  ↓
活動量の減少、低栄養、社会交流の減少などがさらにサルコペニア・ロコモを悪化させる
  ↓
【要介護状態・寝たきり】

この負の連鎖を断ち切り、健康寿命を延ばすためには、早期にこれらの状態に気づき、運動(特に筋力トレーニング)と栄養(特にタンパク質摂取)を中心とした適切な対策を講じることが非常に重要です。

2.フレイル・サルコペニア・ロコモを予防・改善する具体的な対応策

加齢に伴う身体機能の低下のサインは互いに深く関連しており、放置すると生活の質が低下し、将来的に要介護や寝たきりにつながるリスクが高まります。
しかし、適切な対策を講じることで、その進行を食い止め、健康寿命を延ばすことが可能です。

フレイル・サルコペニア・ロコモの予防と改善に効果的な具体的な対応策をご紹介します。

運動習慣の見直し

筋肉や骨は、使わないとあっという間に衰えてしまいます。特に、日常生活では使いにくい大きな筋肉を意識的に鍛えることが重要です。
ポイントは、「ちょこまか動く」より、「しっかり動く」ことです。また、無理なく続けられる範囲で、楽しみながら取り組むことが大切です。

痛みがある場合は無理せず、医師や理学療法士に相談しましょう。

①筋力トレーニング:筋肉を維持・増加させる

サルコペニアの改善には、筋肉に負荷をかける筋力トレーニング効果的です。無理のない範囲で、週に2~3回を目安に取り入れましょう。

筋力トレーニングの例

  • スクワット:足腰全体の筋肉を効率よく鍛えられます。椅子に座るようにゆっくり腰を下ろし、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
  • 片脚立ち:バランス能力と片足の筋力を同時に鍛えます。転倒が不安な場合は、壁や手すりに軽く手を添えて行いましょう。片足で1分間キープを目指します。
  • かかと上げ運動:ふくらはぎの筋肉を鍛え、歩行能力の維持に役立ちます。壁などに手をついて体を安定させ、ゆっくりかかとを上げ下げします。
  • 腕立て伏せ:全身の筋力、特に上半身の強化に。膝をついて行うと負荷が軽減されます。膝をついてもOKです。

②有酸素運動:全身の健康維持と体力向上

ウォーキングや軽いジョギング、水泳などは、心肺機能の向上だけでなく、骨への適度な刺激となり、骨密度の維持にも役立ちます。

有酸素運動の例

  • ウォーキング:毎日20~30分、少し息が上がる程度の速さで歩くことを目標にしましょう。散歩のついでに、早歩きを取り入れるだけでも効果があります。
  • ラジオ体操:全身の筋肉や関節をまんべんなく動かすことができ、手軽に始められます。

食生活の見直し

運動と並んで重要なのが、筋肉や骨の材料となる栄養素を十分に摂取することです。
特に高齢になると食が細くなりがちですが、意識的に栄養を摂ることが大切です。

①タンパク質をしっかり摂る

筋肉の材料となるタンパク質は、毎食しっかり摂ることが重要です。
特に高齢者は、若年者よりも筋肉が作られにくい「同化抵抗性」があるため、意識的に多めに摂取することが推奨されています。

具体的な摂取のポイント

  • 朝食に卵やヨーグルト、牛乳をプラス
  • 昼食や夕食では、手のひら一枚分ほどの肉や魚を意識して食べる
  • 間食におにぎりやパンだけでなく、チーズやゆで卵、プロテイン飲料などを取り入れる
  • 食が細い場合は、タンパク質の多い食品(肉、魚、卵、大豆製品など)を優先的に食べる

②カルシウムとビタミンDを積極的に摂る

骨の健康を保つために欠かせないのがカルシウムとビタミンDです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。

  • カルシウム:牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚(しらす、煮干し)、小松菜、豆腐など
  • ビタミンD:サケ、マグロ、サンマなどの魚介類、きのこ類(干し椎茸など)

社会参加と心のケア

フレイルは身体的な虚弱だけでなく、精神的・社会的な側面も深く関わっています。積極的に社会とつながり、心の健康を保つことも重要です。

  • 外出の機会を増やす:散歩や買い物、地域のイベントへの参加など、積極的に外に出かけましょう。
  • 人との交流を持つ:友人や家族との交流、地域のサークル活動やボランティアへの参加など、社会とのつながりを保ちましょう。
  • 趣味を持つ:楽しめる趣味を持つことは、生活のハリとなり、精神的な健康を保つ上で非常に有効です。
  • 役割を持つ:地域活動やボランティアなど、自分にできる役割を持つことで、社会貢献感が得られ、意欲の向上につながります。
  • 口腔ケア:歯や口腔機能の衰えは、食事が十分に摂れなくなる原因となります。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアで、しっかり食べられる口を保ちましょう。

3.フレイル・サルコペニア・ロコモ予防に強い整骨院は今後さらに選ばれる

高齢化が進む中、フレイル・サルコペニア・ロコモへの予防的な取り組みは、整骨院にとって差別化の大きな鍵となります。
予防アプローチを導入することで、通院頻度の安定化、自費サービスの活用、地域での信頼性向上といった複数の経営的メリットが生まれます。

今後も高齢者の健康維持に貢献できる整骨院が、地域で選ばれる存在となっていくでしょう。

予防アプローチが整骨院経営にもたらすメリット

「施術で症状を取る」から「症状を出さない体を作る」へのシフトは、継続的な通院と客単価向上を実現する戦略です。
保険依存から脱却し、安定した経営基盤を築くためにも、予防型サービスの導入は不可欠です。通院の習慣化によりキャンセル率も下がり、口コミによる新規集客の増加も見込めます。

EMSトレーニングや加圧マシンの活用で筋力低下予防に有効な運動療法

高齢者にとって運動は最大の予防策ですが、過度な負荷は逆効果になりかねません。
整骨院では安全かつ段階的に筋力を向上させる運動療法を提案し、生活動作の改善に結びつけることが可能です。特に下肢筋力や体幹の安定性を重視したメニューが効果的です。

EMSの活用

EMSは、電気刺激で筋肉を動かすことで、自発的な運動が難しい高齢者でも筋収縮を促すことができます。体への負担が少なく、短時間で効果が期待できる点も魅力です。
痛みがある患者様や運動に不安がある方にも提案しやすく、継続率の高いメニュー構成が可能です。

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加圧マシンの活用

加圧マシンを用いたトレーニングは、専用ベルトで適度な圧をかけながら行う軽負荷トレーニングで、短時間・低負荷でも高い効果が期待できます。
成長ホルモンの分泌促進や血流改善にもつながり、ロコモ・サルコペニア対策として注目されています。

他院では導入が進んでいない機器であるため、差別化ポイントとしても活用できます。

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4.まとめ

フレイル・サルコペニア・ロコモは、高齢者の健康寿命に大きく関わる重要な課題です。

整骨院では、これらの予防や早期対応を通じて地域貢献と経営差別化が可能です。
動ける体作りには、四肢や体幹の筋力強化が重要ですので、EMSや加圧マシンなどのトレーニングマシンを用いた簡単な運動メニューを取り入れるのも良いでしょう。

監修:コアラボ編集部

監修:コアラボ編集部

この記事は、整骨院・サロン向けのトレーニング機器を販売する株式会社モン・スターズのコアラボ編集部が監修しており、わかりやすく役に立つ記事を目指しています。

これは情報提供のみを目的としており、医療上のアドバイスや診断を行うものではありません。

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