
更新日:2024-11-27
整骨院の運営で日頃使っている料金表。
中には「とりあえず料金が載っていれば良いでしょ?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
料金表は、見せ方次第では、単なる価格提示の道具から、成約率を高める強力な営業ツールへと進化します。
本記事では、お得感を伝え、成約率を向上させるための料金表作成のポイントについてご紹介します。
1.お得感を伝え、成約率を上げる料金表とは?
料金表は、患者様にサービスや商品の価格を明確に伝える重要なツールです。
お得感を演出し、成約率を高めるためには、価格だけでなく、提供される価値を明示する必要があります。
具体的には、料金に含まれるサービス内容や、他プランとの比較を視覚的に示すことが効果的です。
また、消費者心理に基づき、価格設定を戦略的に行うことで、患者様に「得をした」と感じてもらうことが可能になります。
料金表に含めるべき必須項目
料金表には、商品や施術の名前、詳細な施術内容、価格、適用期間などの基本情報を記載することが重要です。
さらに、消費税の有無や、キャンセルポリシーなど、患者様が購入前に知っておくべき情報も明確に記載するべきです。
これにより、患者様が安心して選択できるだけでなく、後のトラブルも未然に防ぐことができます。
2.客単価をアップさせる料金プランの作り方
料金設定は、ただ利益を出すための行為ではありません。
消費者心理を考慮することで、同じ価格でも「お得感」を演出することができます。
1.ジャストプライスより端数価格
1,000円、5,000円などのキリの良い価格ではなく、それぞれ980円、4,980円のように端数にすることで、価格差以上にお得感を演出してくれます。
この現象は、「端数価格効果」と呼ばれ、マーケティングの分野ではよく知られています。
私たちの脳は数字を左から右へと読みます。例えば、「980円」を見ると、まず「9」という大きな数字が目に入り、「1,000円より少し安い」と認識されます。
つまり、最初の数字の印象が強く、全体的な価格を左右するのです。
価格によっては逆効果の場合もある
高価格帯の場合は、端数価格効果を利用すると、逆に安っぽく見られてしまうことがあります。
高価格帯の場合は、高いことを理解したうえで検討している場合が多く、端数価格効果を利用すると逆に売れなくこともあるので気を付ける必要があります。
2.月額制は「1日当たり」「1回あたり」を入れる
整骨院が月額制を導入する際、単に「月々○○円」と表示するだけでなく、1日あたりの料金や1回あたりの料金を併記することで、よりお得感が生まれ、顧客の心理的なハードルを下げることができます。
月額料金は抽象的な金額に感じられがちですが、1日あたりや1回あたりの料金にすると、具体的な金額感があり、より身近に感じられます。
例えば、「30日分のサプリが入っているので、1日当たりわずか100円!」と伝えることで、「月々3,000円」という金額よりもお得感が強調されます。
「100円程度なら使ってみても良いかな?」というように、気軽に利用できるという印象を与えます。
整骨院の料金表への具体的な記載例
- 1か月間通い放題の場合: 「1日あたり○○円で、全身もみほぐし放題!」
- 1か月間で回数制限がある場合: 「1回あたり○○円で、肩こり解消コースが受けられます!」
3.選択肢は3つ用意
いわゆる「真ん中プラン」を選びたくなる心理を利用した手法です。
松竹梅の法則と呼ばれ、低価格プラン・標準プラン・高価格プランの3つを提示し、真ん中のプランを最も選ばれやすくします。
3つの理由は、選択肢が2つだと安い方が選ばれやすく、4つだと買わないという選択が増えるからです。
価格表示の例
- 松:10,000円
- 竹:6,000円
- 梅:4,500円
全体の購入割合としては【松:竹:梅=3:5:2】になると言われているので、半数の人が「竹の6,000円」を選ぶことが予測できます。
4.割引は30%以上が効果的
定番の方法ですが、割引することでお得感を与えることができます。
「今なら10%オフ」のような割引はよく見かけますが、この程度の割引では、「お得!」と感じてもらうのは難しいケースが多いです。
「安くなっている」と実感してもらうためには、定価から30%以上の割引をすることが効果的です。
ただし、割引しすぎると、商品の価値が下がってしまい、ブランドイメージを損なう可能性もあります。
競合の価格、売上目標、相場価格、イメージなどを考慮して、割引率を決めるのが大切です。
定価には取り消し線を
割引をするときは必ず定価も表示しましょう。定価には取り消し線を入れるのが鉄則です!
【例】通常価格:5,000円→期間限定:2,900円
5.期間限定プランで付加価値を提供
期間限定プランは、特別感を演出し、顧客の購入意欲を高めるための有効な手段です。
例えば、期間中に購入すると特別価格で利用できるプランや、無料サービスが付くキャンペーンを導入すると、短期的に売上を伸ばす効果が期待できます。
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3.お得感を演出する料金表デザインのポイント
料金表は内容だけでなく、デザインによってもお得感を伝えることができます。
視認性の高いレイアウトや、強調すべきポイントをわかりやすく示す工夫をすることで、顧客の信頼を得ることができます。
料金表は、文字の配置や列の分け方によって、見やすさが大きく変わります。
例えば、各プランを表形式で並べたり、アイコンを活用することで直感的に内容を理解できるデザインを採用すると良いでしょう。
また、無駄な装飾を省き、情報をコンパクトにまとめることもポイントです。
カラーやフォントで伝える
カラーやフォントの選び方一つで、料金表の印象を大きく変えることができます。
例えば、割引や特典を強調したい場合は、赤やオレンジといった目立つ色を使用し、フォントも太字や大きなサイズで目を引く工夫をしましょう。
一方で、信頼性を伝えたい場合は、落ち着いたブルーやグレー系の配色を選ぶと効果的です。
統一感のあるデザインで信頼を高めながら、お得感を演出することが大切です。
視線誘導を意識したレイアウト
人の視線は、左上から右下に流れる傾向があります。
この特性を活用し、重要な情報やプランを左上に配置することで、顧客の注目を集めやすくなります。
また、視線を誘導する矢印や枠線を取り入れることで、目立たせたいポイントに誘導することも可能です。
視覚的な工夫で、患者様が迷わず選べる料金表を作成しましょう!
実際の声やFAQを活用する
実際に施術や商品を体験した患者様の声を料金表の近くに配置することで、信頼感が増し、購入を後押しします。
特に、数字を用いた具体的な成果があると効果的です。
料金表の近くによくある質問(FAQ)を掲載し、疑問や不安を取り除くのも効果的です。
4.料金表で失敗しないための注意点
料金表に曖昧な情報や隠れた費用が含まれていると、顧客からの信頼を失いかねません。
価格にはすべての費用を含め、必要に応じて明細を提示することで、誤解やトラブルを未然に防ぎましょう。
また、価格が一目で分かるよう、フォントサイズや配置にも配慮する必要があります。
法的トラブルを避けるための価格表示
料金表の作成時には、消費税や適用条件を正確に記載することが求められます。
不適切な表示は法的トラブルにつながる可能性があるため、特定商取引法や景品表示法を遵守することが重要です。
必要に応じて、専門家の助言を得ることも検討してください。
5.【無料】料金表テンプレート
整骨院様向けに、回数券などに使えるPowerPoint版のテンプレートを用意しました。
無料でダウンロードできますので、是非ご利用ください!
6.まとめ
ただの料金表でも表記方法を少し工夫するだけで、患者様に与える印象や成約率も大きく変わってきます。
料金表で商品・サービスの価格を安く見せるとは、成約率を上げるための方法論ではありません。
大切なのは、商品の価値・魅力を十分伝えきるということです。
人は、「値段と価値が釣り合わない=高い」と感じます。
料金表の中だけでは商品価値を伝えきることは難しいですので、同時にトークで伝える必要があります。
そして、商品価値だけではなく、その患者様にとっての必要性や緊急性を伝えてなければいけません。

監修:コアラボ編集部
この記事は、整骨院・サロン向けのトレーニング機器を販売する株式会社モン・スターズのコアラボ編集部が監修しており、わかりやすく役に立つ記事を目指しています。